Vespaを買う
また僕の悪い「無計画癖」が出てきたのだ。
僕は普段欲しがらないぶん欲しいものができた時とかしたいことができた時は無計画ですぐに行動に移す癖がある。そのため必ずと言っていいほどスムーズに事が進まない、途中で誰かに阻まれる、もしくは自分が痛い目に合う(ほとんど三つめのパターン)のだ。
大学受験が終わってスーツを買うために工事現場のアルバイトを15日入れたんだけど5日で飽きて飛んだら、僕が飛んだことによる埋め合わせで結局一銭も自分の手に入らなかったこともあるし、自転車とか原付で東京まで行った時も実際に思いついたのは当日で計画もあんまりしないまま行って地獄な目にあったし、一人で離島に旅行した時に民宿がどこも開いてなかったからキャンプ場で泊まることにしたら孤立状態になったこともあるし、ほとんど思い通りに行くことがない。
今回はそんな反省もあってきっちり計画を立てて自分の欲しいものを手に入れようと思ったのだ(とはいっても結構無茶はあるんだけどね)。
今BSで探偵物語が放送されていて、そこで松田優作が乗っているベスパが気になったからネットで調べたら「P150X」という車種であることが分かったのだ。
工藤ちゃんが乗っているのが「P150X」
ベスパはイタリアのバイクで、このP150Xというのは2ストエンジンのため(ここら辺の説明はここに任せます)排ガスが汚いのでEU圏内統一の排ガス規制で生産中止になってしまったのだ。
じゃあ手に入らないか・・・と思ったが一応中古バイクで検索するとなんと「P150X」ではないが「P125X」という車種があるではないか(後者はいわゆる「原付2種」というやつ)。
外観もかなりきれいでお値段も18万円とレアものにしてはだいぶお得なのである。
コレは買うしかないと思ったがお金も免許も持っていないけど免許はともかくお金は分割で何とかなるだろうと思ったが、大きな壁にぶち当たったのだ。
「両親の許可がいります」
これでお金の問題もふりだしに戻ったのである。
親が分割払いを許可するかうんぬんよりも僕は過去に原付で全治1か月の事故にあったことがあるので二度とバイクに乗るなと言われているのである。なるべく両親が全く関わらずに買うことにしたいのだ。
というわけで諦めるのかという話なのだがもちろん諦めない。とりあえず免許を取ることにしたのである。しかしわざわざ合宿や教習所に通うなんてことをしていたら余計にお金がかかってしまうので、飛び込みで受験することにしたのである。書店で参考書を買って勉強し、いざ試験へ。
試験場に入り、手続き書類を書こうとしたら警察官のオバハンが
「あんた今から何受けるの?」
と聞いてきたので、
小型二輪の学科試験です、と言うと
「じゃあ教習所卒業のところに並んで」
と言うので、
いや飛び込みなんですけど、、と言うと
「あ、そうなの。じゃああんたは原付免許を取りたいってことね」
と言うので説明するのがめんどくさくなってしばらく固まっていると、しばらくしてオバハンは何かを察して必要な書類を一式持ってきてくれた。
オバハンの対応からしてどうやら飛び込み受験をする人は少ないみたいである。
10時に試験開始ということなのでしばらく待合室で待機し、10分前に試験場に入室した。
ATの本試験を受ける人、ATの仮免許の学科試験を受ける人の机にたくさん人がいて、飛び込み受験をする人の列には僕だけであった。
隣の列も一人だけ座っていたが、金髪にピアスの高校生風の身なりであったことから原付か職業免許のどちらかだと思われる。
外見はかわいらしいのに指示に従わなかったらキレ気味にその人のところまで行って注意するというすごく気の強そうなお姉さんの説明が終わり、試験開始。
参考書の模擬試験では5回とも落ちたので本試験も落ちるんじゃないかなと思ったけど、意外とすんなり終わり、提出して退席した。
教室を出ると、原付試験に合格して抱き合って喜んだり、合格発表の掲示板を写メっているギャルの高校生がいた。
そういや原付試験を受けた時もこんな感じの人たちいた気がする。後の講習で監督のいうこと聞かずに警報機鳴らしたりいろんなところ暴走して楽しそうだったな。
合格発表の時間まで待ち、掲示板に僕の番号が表示されたので試験会場へ。隣の高校生の姿は無かった。後日の技能試験の日時や説明を書いた紙をもらって試験場を後にするのであった。
まあ、
MTのバイク一度も触ったことないんだけどね
技能試験は一回で合格する気は更々ないので気長に受験しようと思う。
そしてもう一回中古のP125Xのページを見てみた。
完売しました
おい
何のために受験したんだよ!!!
悔しいのでせっかくだから新品のベスパを買うことにした。
そう、P125X、P150Xは生産終了したが、2011年にVESPA販売65周年記念モデルとしてユーロ圏内でも使用可能な(3か国のみ)の「PX125」と「PX150」が復活したのである。もちろん外観もP125X、P150Xにクリソツである。
これが「PX125」である
新品を買うとなればもう誰かに買われる心配はないので気長に計画を立てることができる。とはいえお金はためないといけないので僕は新聞配達のアルバイトを始めることにしたのである。これが吉と出るか凶と出るかは未来の僕しか知らない。僕は意外とつらいことをどういうわけか続けることができる特性があるので大丈夫だと思う。
続く...
続くのかよ