モラトリアムの終わり
4000字書いてます。ひたすら後悔していることだけを書いています。
このブログはフィクションというテイです。実在の人物・団体とは一切関係ありませんというテイです。
今月で7年も続いた学生生活が終わる。記念受験で1年を棒に振ったのを足したら8年もモラトリアムの時間を過ごしていたことになる。
なんてことが書けるはずだったんだが、驚くほど何も書くことがない。毎日読書なんかしてないし、ブログなんか全くと言っていいほど書いてない。ボランティアにも行ったことなければ、キャンプすらしたこともない。あと会社なんか立てたこともない。だいたいアルバイトしてた。ほぼ毎日教授に怒られていたし、研究も大して頑張ってない。学会なんか一度も呼ばれたことがない。
上で書いたウソはめちゃくちゃスラスラ出てきたのに、今本当のことを書こうと思うと、びっくりするくらい手が止まっているのである。
ふりかえると、ここでの1年間の浪人生活は、今までの人生で嘘偽りなく頑張っていた時期だったのだが、ここでの頑張りが功を奏したというか裏目に出たというか、そこそこいい大学に合格してしまったのである。ここからイロイロ狂い始めたのかもしれない。
大学が始まる前の健康診断で、周りからクスクス笑われてるのに気づかずに、後ろに並んでいた隣のイスラム教信者っぽい女子に一方的に話しかけ続け、健康診断の担当の人に
「あんたココ女子の部だよ」
って言われた僕は、まっすぐ前だけを向いて若干速足でその場から去っていったのであった。
ここできちんと男子の部の健康診断に行っていればきちんとスタートダッシュが切れて、もっと違った未来が待っていたのかもしれない。
よく「大学では人脈を作れ」とは言われるが、7年間も大学にいて自分でもびっくりするくらい友達はできなかった。顔見知り程度の人はたくさんできたけど、深くかかわった人はほとんどいなかった。打ち解けること自体はそんなに苦労しなかったけど、関係を維持することが難しかったのだ。
実験で関わることになったとしても接触する時間は長くてせいぜい2時間くらいだし、ちょっと踏み込もうとする頃には授業が終わる。かといってその後わざわざ時間を取って踏み込んでいくのは「向こうもやることもあるだろうし」と躊躇した、というより面倒臭かったのである。
でもたまに向こうから僕に興味を持ってくれてご飯を誘ってくれたりしたこともあって、それは嬉しかった。けれども僕は学校にあんまり行かないのでそういう人達とも会うことはなくなったのであった。
最初は「自分に友達ができないのは自分が少しとがっていて周りとは違う人間だ」なんてイタイことを思っていたが、今となってはかなり面倒臭がりで受け身なだけだったなと思う。
大学生活というのは何もしなくてもいいとはよく言われるが、本当に何もしないのはさすがにまずいと思ってイロイロやってはみた。けどそのイロイロのベクトルはちょっとずれていて、大阪から東京までいろんな手段で行ってみたり、プログラミングを始めたりなど、よくあるイタイ大学生みたいなことで終始してしまった。
何もかも後回しにし、最終学年の夏がすぎても何もしないままであった。なんなら研究すらしてなかった。
- 福利厚生が充実!一日一回お互いにありがとうを言い合う「ありがとう手当」
- 他部署の人とランダムでランチに行く「ランダムランチ会」
- ほぼ客先常駐メインのSES
みたいなのしかなかった。そのほかにも社長と会話できるのが福利厚生とか載せてるヤバい会社もあったが、もう文句を言っている場合じゃなかったので、その中でも一番マシな企業を選んで粛々と就活を続けた。そこそこテイのいい企業に申し込み、外面と見せかけだけを頼りに何とか内定を取ることが出来た。
しかし一難去ってまた一難、今度は卒業できるかどうかが怪しくなっていた。研究が全く進んでないのはもちろんのこと、一つでも単位を落とすともう一年だドン!な状況になっていたのだ。教授含め、まわりに相当怒られが発生しながらも、つい最近になってやっと卒業にこぎつけることができたのである。
全てなんとかなってしまうのだ。いや、なんとかなってしまったのである。
めんどくさくなって後回しにすると、その時は楽かもしれないが確実に未来に影響を及ぼしている。後回しは未来の選択肢を担保にやるべきことのリボ払いしているだけなのだ。自分が気づいていないだけで、この7年間でいろんなことをめんどくさがったことにより、もうすでに僕の人生は取り返しのつかないものになっているのかもしれない。まだまだ何とかなる可能性もあるかもしれないが、7年前と比較して確実にそんなこと言ってる場合じゃないというか、何とかならなくなっていることはうっすらと、いやひしひしと感じ始めている。
浪人の時の自分は何であんなに頑張っていた、そして頑張れたのだろうと今では思う。今頑張っていることが将来どう結びつくかはわからないが、とりあえずがむしゃらにやっとけば何かいいことあるやろう、そんな雑な思いだけでも頑張れた。しかしここに出来上がったのは、頑張り方すらわからなくなり、ただのルーズでポンコツな人間である。一時的な頑張りによって身の丈に合わない場所に収まったことにより、こうなってしまったとも考えられるかもしれない。こんなメンタルのまま社会に出て大丈夫だろうかとは思っているが、もちろん「何とかなるだろう」と思っている。
次の社会人のステージは果てしなく長い期間で、ここで後回しを発動しまくっていると、負債は確実に将来に影響してくるに違いない。少しでもマシな未来を迎えるためにも、春からはちゃんとしたシャカイジンシャカイジンしようと思っている。ホンマか?
昔を正当化できるかどうかは、すべては現状に納得しているかどうかにかかっていると思っている。今でも現状に対してさして不満はないけど、後悔はちょっとだけある。かと言ってどうすることもできないので、10年後になってもこの記事と同じようなこと書いてるようにならないようにだけしようと思っている。
※ひたすら暗い感じになってはしまったが、楽しいことは楽しいことでいっぱいあった。ここに書いたのはその中のほんのちょっと陰鬱な気分だけだよ