ヒッチハイクで東京に行き、有馬記念を見る
もう有馬記念の時期がやってきた。その週その週のGIを楽しみに生きているとどうやら1年が過ぎるのが早くなってしまうようだ。
去年は現地に行ったんだけど、今年はなんかメンバーが「うーん」だし、去年行ってハズれて寒い思いしただけだし(それと人多すぎ)、東京大賞典を見に行くのに有馬記念も見に行くとなったら移動費がパネェことになってしまうので今年は行くのを見送ることにした
まあ去年はゴールドシップがいたから見に行ったというのもあるけどね。
あ、あと去年行きはヒッチハイクで行ったんだっけ。それを考えると「去年の行きに惨めな思いをした」も今年行かない要因の一つに入るかな。
どうせだし去年ヒッチハイクで行ってきたときのことをここで書こう。一応記事は書いていたんだけど途中でめんどくさくなって放置したのをここで書くよ。
去年の夏に川末(仮名)くんと岩本寛也(本名)くんとながふく(仮名)くんでヒッチハイクで東京にいるバイセン(仮名)に会いに行こうという話が上がっていたんだけど、岩本寛也(本名)くんが当日にダブルブッキングをしたのでパーになったのだ(その代わりに小和田に行ってきたんだけどね)。
んで今後ヒッチハイクをすることはあるのかと川末(仮名)くんに聞いたところ、ほかの同級生(成川(「なるかわ」と読むと仮名だが、「なりかわ」と読むと本名)くんのことである)が去年やって成功してたのと、大学生が思ったよりやっているからやめたと言っていたのでおそらく今後やることはないだろうと思っていた。
でも有馬記念に行くとなって、それまで僕は東京に行くとき、ママチャリ、原付でしか行ったことがなかったので、今度もアブノーマルな手段で行こうと考えていたのである。
セグウェイでいこうということも考えていたのだが、どうやらあれは公道を走れないらしい。
ということでどうせだったらヒッチハイクで行こうと思いついたのである。ここでやらないと今後やることはないと思ったのである。
もちろん前日に思いついたのである。行きに予約していた夜行バスをキャンセルして、ヒッチハイクに必要だと思われるものを準備し、ヒッチハイクするときに注意するべきことをインターネットで調べ、準備万全である。
準備するものは思ったより少なかった。
・スケッチブック
・高速道路マップ
・マッキー
そのかわり気を付けることが意外と多かった。
・自信を持とう(まああった)
・人目が痛いので気を付けよう(普段から痛いから割と大丈夫)
・ドライバーに「何かがいる」ということを全身を使ってアピール(一人だから無理)
・立ち位置一つで大きく変わる(理解不能)
・最終目的地をいきなり書くより、何個かに分けてたどり着くようにする。そうすると「そこは遠いけれどここまでだったら乗せようかな」と思ってくれる(めんどくさい)
・IC前だと確実に高速道路にのる車があるので、そこの入り口付近でヒッチハイクすれば確実に高速道路に乗れる。ただし難易度は数あるヒッチハイクの手段で一番難しい。なぜなら止まりにくいから。なのでIC入り口付近に信号があるところを探そう
・難易度は、「SA→路上→IC付近」(もちろんめんどくさいのでIC付近で)
・乗っている間は運転手さんと会話を楽しもう(最難関)
・乗せてもらった際にはお礼を言う(これは大丈夫)
といろいろ書いてあってややこしかったので、とりあえずIC付近に信号があるところをGoogleマップでしらみつぶしに探していったところ、該当するところが一つあった。茨木IC付近である。大阪大学が近くにある。なのでそこの手前付近でヒッチハイクを敢行することにしたのである。
確実にたどり着けるという保証がなかったので、とりあえず早めにヒッチハイクを開始することにしていたのである。
もちろん電車は動いていないので、その茨木ICまでは電車である。でも一応練習がてら、家の付近でボードを掲げてみることにしたのである。
もちろん止まってくれなかった。
よくよく考えると、明け方にヒッチハイクしている奴を誰が乗せるかという話である。
JR大阪駅まで歩きつつ、いくつかポイントを変えてヒッチハイクをしてみるが、もちろん誰も止まってくれず、JR大阪駅に到着。
いいウォーミングアップになっただろう、と自分の中で片づけて、いざ茨木駅である。バスでIC付近に行き、ボードに「京都」と書き、頭上に掲げた。
人通りは少なかったが、ちょこちょこ人が通るので、初めはそのたびにちょっとボードを隠したりしたのだが、だんだんどうでもよくなり、誰がそばを通ろうと、堂々とボードを掲げることができるようになったのである。ここまでで1時間である。
まあ1時間以内に捕まえられるわけないか、と楽観視していたのだが、だんだんと人通りが多くなってきやがったのである。おそらく阪大生であろう原付に乗った人物がボードをガン見しながら通り過ぎ、近くの少年野球グループの集団が「なにあれ?」と言いながら通り過ぎ、女数人組が通りすぎた後大爆笑したりなど、俺のメンタルは音を立てて壊れ始めたのである。
しかし1時間40分ぐらい経った時である。
またどの車も止まってくれなかったと思うと、俺の背後で車がハザードランプを出して止まっているのである。
これは・・・・・?
行くべきなのか?よく見ると誰かと電話してるぞ?これは乗せてくれるというサインなのかそれともただ電話しているだけなのかどっちなのだろうか。
5分ぐらい悩んで声をかけようと決心した。
そして車のほうへ歩いていくと、
ぶぉぉぉーーーーーん
とICへと向かっていった。
うん、これは俺の決断が遅かったのか、それとも煽られたのか、考える間もなく僕はながふく(仮名)くんに電話した。「もうむり」と言いたかったのである。
ながふく(仮名)くんは、とりあえずこれ以上捕まらないんだったら新幹線かなんかに移動手段変えたほうがいいよ、と超現実的なアドバイスをくれたのだが、まだ時間は11時である。高速道路でどのくらいでたどり着けるのかは知らないが、おそらくまだ大丈夫だろうと思っていったので、僕は茨木ICでのヒッチハイクを諦めて、別のところでヒッチハイクをすることにした。
いきなり高難易度のところでやろうとしたから捕まえられなかったんだ、ということで、僕はSA、もしくはPAを探すことにしたのである。
しかしここでまたもう一つの壁にぶち当たる。
SA、PAというのは高速道路の途中にあるのであって、一般道路から入ることはできないというのである。
あ、これ詰んだわ と思ったが、ここで思わぬ救世主が現れた。
そう、「Yahoo!知恵袋」である。
過去の質問の一覧に、僕と同じことを考えたのだろうか、「一般道から入れるSA、もしくはPAはありませんか」という質問があった。
もう考えている時間はない。すぐに桂川PAまでの行き方を調べ、その最寄りの駅へと向かった。
もちろんそこからPAへの行き方は知らなかったので駅員さんに聞くと、それをわきで聞いてたババアが、
「変なとこ行くわね。アンタ、何しにそこに行くのよ」
うるせぇほっとけババアと言いたかったが、テキトーにご当地の肉まんを食べにいくと答えて、ババアを追い払い、PAまでの道を聞き出すことに成功した。
そこら辺に行くと、滋賀ナンバーの車が止まっていた。
滋賀か・・・ゴクリ・・・
その車に近づき、寝ている運転手を起こして勇気を出し、こう聞いた。
バカバカ!!!それじゃないだろ!!!
ビビる運転手は桂川PAまでの道を教えたのち、再び眠りについた。
なかなかのチャンスを逃した僕は諦めて桂川PAに入ることにした。
ほう・・・・
かなりの台数の車が止まっているのである。これはかなりの確率で成功するんじゃないかと余裕か油断かが湧いてきた僕はここで昼ご飯を食べることにした。
京都のくせして神戸牛の肉まんを売っているのである
ついでに売店のおばさんに、ここでヒッチハイクをしている人っていますか、と聞いてみた。するとどうやら30分ほど前にヒッチハイカーがいたらしい。今はいないから乗せてもらっているんじゃない?と言うので、僕は勝ちを確信した。
乗る前に誰かに電話しておこうということで一生級長(仮名)に電話し、話をしていると、驚きの事実が発覚した。
成川(「なるかわ」とよむと仮名だが、「なりかわ」と読むと本名)は一人でヒッチハイクしたのではなく、二人でヒッチハイクをしたというのだ(まあどうでもいいが)。
じゃあここまで一人でやるという縛りはいらなかったんじゃないのか、と思ったのだが、もうどうでもいい。成功は目の前である。
肉まんを食べながらボーっとしていると、一台の車から人が降りてきた。
その人がトイレに行ったすきに、車のナンバーを確認すると、神様がいるのかな、「足立」のナンバーだったのである。
もうこの車に乗り込むしかない、と僕はその車の近くで運転手が帰ってくるのを待っていた。5分ぐらいして運転手が戻ってきて、いろいろ整理した後にエンジンをかけた瞬間、僕は一目散にそこへ向かった。
「すいません、乗せてくれませんか」
もちろん運転手はビビっている。簡単な自己紹介をした後にヒッチハイクをしているので 乗せてほしいです、という旨を伝えると、やっと運転手は状況が飲み込めたのか、
「・・・どこまでがいいの」
と聞いてきた。
「名古屋くらいまでならいいです」
「・・・うちは東京まで行くけど」
「むしろ東京まで連れて行ってください」
「・・・・・まあいいけど」
ヒッチハイク成功!
30分で捕まえることができた。しかも飯を食いながら。PAでのヒッチハイクはこんなにも簡単なのか。今までのICは何だったんだ
どうやら仕事用の車らしく、後ろの席に仕事用の機材がたくさんあった。助手席を開けていただき、いざ東京へ出発である。
話を聞くと、仕事で大阪に来ていて、その帰りだったらしい。お疲れのところ申し訳ないです(微塵も思っていない)と言うと、東京までただ運転しているだけじゃ暇だったから、話し相手ができて良かった、と言っていただいた。
と今、僕はここで簡単に相手の話した内容を書いているが、実際の運転手の声はかなり小さく滑舌も悪くかなり早口で喋っていたため全く聞き取れず、何回か聞きなおしたけどそれでも聞き取れなかったので話の流れから推測した内容を書いているのである。つまり何分か話した後に僕が悟ったことは、
ここから数時間地獄やん
である。地獄の話し相手である。
「大阪には仕事でよく来られるんですか?」
「#$$##\\@%%%@@\\」
「えっ?」
「\*&%@$#!@\@%*」
「えっ?えっ?」
「まぁ$$#@*%%**%ね」
「あ、よく来られるんですね」
「いや、来ないんだけど」
という感じである。
それでも何とか話を続け、何時間か運転したのち、刈谷PAでいったん休憩をとられた。
10分後に戻ってきてね、と言われたので、話し疲れた+聞き疲れた僕はベンチに座ってボーっとしていた。もちろんこの時も油断していない。あの乗せてくれた運転手が俺の荷物を載せてそのまま俺をPAに置き去りにすることがないように車を見張っていた。
数分後、運転手が帰ってきたので、車に乗り込み、再び出発である。どうやら休憩している間にお土産屋でお菓子を買ってきたみたいで、僕にくださった。ありがたかった。そんな人を僕は荷物泥棒しないように見張っていたのである。
休憩前までは結構話が続いていたのに、再び乗り込んでからはなかなか会話が弾まなかったのである。それも無理はない、僕がだんだん聞き取るのが雑になってきたのと、運転手が、自分で話し相手がほしかったと言っていた割には寡黙な人だったのである。
静岡県あたりを走っているときの会話である。
「あ、茶畑がいっぱい広がってますね」
「・・・うん、広がってるね」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「にしても反対側の車線、車いっぱいですね。だいたいこの時間はいつもそうなんですか」
「・・・うん、多いね」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
はやく東京着け
ここから無理に話しかけない事にしたのである。それでもちょこちょこ話はあったわけで、そこで運転手が日本大学出身ということがわかった。
工事現場のアルバイトといい今といい、たまたま会ったおじさんの日本大学関与率高くね?
あと、結婚20年以上にして子供が一人もいないという。わかる気がした。
静岡県付近に着くとき、僕は運転手に「富士川SAに行きたい」と言っていたのだが、普段そこは帰り道として通らないと言っていたため「やっぱ無理か~」と思っていたのだが、次の休憩の時である。カーナビが喋った。
「富士川SAに到着しました」
えっ?
「このルートは普段帰り道じゃないんじゃなかったんですか」
「#\$%%@&*(日本語訳:まあ、今日ぐらいはいいかなと思って)」
なんて優しいお方なんだ
このSAでは富士山の絶景が見れるらしく、それを楽しみにしてここに来たかったというのもあるのだ。そしてその絶景が見れるという場所へ。
これがきれいに見えた時の景色である。
そしてこれが僕が見た景色である。
まあ・・・これぐらいツイてなくてもいいか。
この運転手、なかなか運転が荒く、スピードメータを見た時にはだいたい160km出ているのである。話していることはほとんど聞こえないけど、
「トラックが邪魔なんだよなぁ」
だけはハッキリと聞こえた。それが聞こえると同時に猛スピードが出るので何回か危険な思いをしたのである。
それもあって神奈川県に18時前に着いたのである。だが、渋滞のためここで足止めを食らったのである。
スピードが出ないと同時に僕も睡魔に襲われたのである。ただ乗せてもらった手前、寝てはいけない。何とかして起きようと話しかけたり、ヘンなことを考えたりした。
長い高速道路の旅を終え、下道に出た。僕が渋谷に行きたいというと、会社の帰り道の途中の駅に渋谷に一本でいける路線があるからとそこで下していただいた。何から何まで見知らぬ人の要望を聞いて下さったこのおじさんに僕は感謝の言葉と名刺をいただいてさようならをした。 これでヒッチハイク終了である。
開始して5時間強で東京にたどり着いたのである。思ったより早く着いたので僕は池袋で映画を見て、その後一生級長(仮名)の家に行ったのである。
見た映画は思ったよりクソだったし、一生級長(仮名)は先輩にフラれた話しか持ってなかったし、ヒッチハイク後はあんまりいいことがなかった。
ゼブラ マッキー文具 BOX MC-BOX
1,922円
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P.S
ちなみに見た映画である。
ハーモニー [Blu-ray]
6,264円
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原作の小説がなかなか面白かったから見に行ったんだけど、まあ期待外れ。ラストが大きく変わっているんだけど、それがこの映画のすべてを台無しにしたと言っても過言ではないと思われる。
内容は、人にとても優しくなった世界を壊そうと起こされた、人の意思の操作による大量自殺事件に死んだはずの友達が関わっていて、その真相を調べていくという物語なんだけど、この物語の世界は、すべての人が健康で幸せであるように常に管理監視されている世界で、この世界では健康じゃないといけないのだ。お酒もたばこも嗜めないのである。仮にお酒を飲んだりしたら身体に監視カプセルみたいなのが入っててすぐばれるのである。それでそれぞれの人が持っている点数というのが減点されて、周りの人からの評価も下がるのである。なかなかホラーな世界なのである。そんな社会に嫌気がさした女の子3人のうち2人がここでの主人公なのである。自分の身体は自分のものだ!!という自己主張のために3人は小さいころに自殺を図るんだけど、成功したのはのちに大量自殺事件に関わる女の子だけだったのだ。
そもそもこの原作自体、説明的なのである。アクションシーンもほとんどないし。それを映画にするんであったら何か観客を飽きさせないような演出とか工夫とかするべきだと思うのに、この映画は全くなかったのである。まあ原作に忠実にしてあるのかなと思いきやラストの最悪の改変。なめてます。この映画は見る価値はありません。TSUTAYAでも借りる価値ありません。でも原作は見る価値があります。おもしろいです。この原作での世界が今の情報社会のなれの果てと考えるとなかなかホラーな気分になってきます。