恋は盲目

最近気づいたことだけどそういや半年近く女の子と喋っていない。

これは実は男は女の子がいなくてもやっていけるということなのか僕が重症なのかということなんだけど、これはいなくてもやっていけるから重症なのか重症だからいなくてもやっていけるということなのかはたまた。

２０歳になったときは２０になっていまだに童貞かということに少し焦りは感じたもののここまできたら大事にとっておこうと考えを改めたし、そろそろ女の子の友達欲しいなと思ったところ周りに女の子が全くいないしそもそも初対面の女の子と喋ることないし。

そもそも今の女の子って何の話するの？ポッキー？

そんなぼくでも燃えるような恋愛を一回したいなと思っていた時期があったのだけど、その考えは最近の岩本寛也（仮名）くんを見て無くなった。

「恋は盲目、嫉妬は千里眼」とは言うけど、人は恋におちるとこんなにも周りが見えなくなって面白くなくなってしまうのかと恐ろしくなったのだ。

ちなみに「恋は盲目」とは「恋におちると、理性や常識を失ってしまう」ということで「嫉妬は千里眼」とは「嫉妬心を抱くと、見なくてもいいところまで見てしまって時にはマイナスの妄想までしてしまう」と言う意味である。

ちなみに岩本寛也（仮名）くんの恋して失敗するまでの経緯を書くとこうである。

• お相手は同じアコースティックギターサークルの同期の女の子。名前は「ユメちゃん」。かわいくないのになぜかモテる

↓

• ユメちゃんが自分の事をカピバラさんに似ていると言っているからといってスマホのカバーをカピバラにする。ついでにカピバラの人形（大小二つ）も買う

↓

• バイトが入るせいでユメちゃんと遊べないからと言ってバイトを飛ぶ

↓

• ユメちゃんと遊ぶために友達との先約をほったらかし

↓

• ユメちゃんが好きという歌をユメちゃん本人に歌ってみせる

↓

• ラインでご飯に誘うとなぜかユメちゃんは告白と考えたのか（いい身分である）考えた挙句断る

↓

• 踏ん切りをつけるために大きいほうのカピバラ人形を燃やすことにした（小さいほうは「この恋を忘れないため」残したやかましいわ）

↓

• しかしやっぱりあきらめきれない岩本寛也（本名）

↓

• 払うべきお金人に返すべきお金をほったらかしにしてサークルの宴会やバーベキューにお金を費やす

↓

• それだけ頑張ったのに友達が岩本寛也（仮名）くんの事をどう思うか本人がいないところでユメちゃんに聞いたところ「ない」という返答が帰ってくる←今ここ​

ということである。

なんだか相手に踊らされた、というより勝手に踊って勝手に撃沈したのを見る限り恋愛慣れしてないという男子校の呪い、経験の無さが災いしたのだろう。

僕は経験と言う点では喫茶店の事件があったから大丈夫なはずである。ちなみにその喫茶店は潰れたからもう二度と会うことはないけどね。

岩本寛也（本名）くんはいつもの自分よりいいように見せようとする不慣れなことをしたせいで本当の姿を見せることができなかったしそのいいように見せたつもりのパチモンの姿でフラれたんだからアホなのだ。

誰だって一つ好かれる要素っていうのがあって、それを自然に出せるかどうかが恋愛におけるコツだと思うのだが（注：僕は女友達がいません）、岩本寛也（本名）くんはその好かれる要素はいいものを持っているのに気付かせるのがヘタのだ。

そこらへんの変化に女の子は敏感だと思うのだ。知らんけど。

なんたって腹が立つのは「ユメちゃん」のほうである。

友達がフラれるなんてことは僕からしたらありえないのだ。

もっといい相手がいたからフったのかどうかは知らないけど、そのいい相手がどんな人かは知らないけど少なくとも岩本寛也（本名）くんのほうがおもしろいことは確かである。

だから友達がフラれたなんて聞くと「コイツはわかってないなぁ」なんて思うのである。

そもそも「二人きりでご飯を食べにいくこと」は何か悪いことなのか？

僕が女の子とはサシでしか遊んだことがないからなのか、これを告白と受け止めたユメちゃんの思考回路が分からないのだ。

どうやら女の子と二人きりでご飯は「そういうこと」を匂わせるらしい。勘違いもほどほどにしとけっていう話ですけどね。

相手が好意を持ってくれてるんだったら話を聞くぐらいしてもいいんじゃないのか。

でも逆に考えると飯さえ断られるくらいだから相当脈がなかったかユメちゃんが岩本寛也（本名）くん自体に引いているということかもしれない。

ただ恋をするのは自由だけど恋をして周りに迷惑をかけるのはいけないことだと思う。

上で恋は盲目を目の当たりにしたと書いたけど、まさにそうである。

それに夢中になりすぎて周りが何にも見えていないのである。いや、自分すら見えていないのである。

何せ最悪なのはユメちゃんが「可愛くない」ことだ。

「カピバラさん」に似ているとユメちゃん本人が言っているけれど実際似ているのは「カピバラさん」のほうではなく齧歯目テンジクネズミ科カピバラ属に分類される齧歯類である「カピバラ」に似ているだけである。

         

ユメちゃんも岩本寛也（本名）もただの盲目である。

あともう一つ恋愛をしなくてもいいやと思ったのが、すんごい時間を取られそうだからだ。

人と付き合うのって男だろうが女だろうが時間がいるのだけど、同性との「付き合い」と異性との関係でいう「付き合い」とだとなんだか後のほうが時間を大量に要する気がするのだ。

前は「can（～してもいいよ）」関係だけど、後は「must（しなければならない）」関係ではないのかと思うのは僕だけかな。

一日も欠かさず連絡しているカップルなんか見るとすごいと思う。そういう状態ってのは時間がずっとどこかで彼女で繋がっている気がして嫌である。すこしでもなんの介入も入らない時間も欲しいのだ。

でも東京で数少ない女友達と会って一緒に遊んでいると、彼女ができたら絶対楽しいだろうなぁ、なんて思ったりもする。

だれか僕に都合のいい女の子いませんか。ヒモにならせてください。