オレ「さぁレクサス出すかぁ」
ドンッ!!!
見ていた歩行者「だっ・・・・大丈夫ですか・・・?」
オレ「たっ、多分大丈夫だと思います」
とその場では気にしていないフリをしてその場をササっと出て行った。
レンガにぶつかったとはいえそんな衝撃なかったし大丈夫やろいや大丈夫だと信じたい、と数メートル走る途中で何度も願ったが、部活の連中が車を見て
「えっヤバないかそれ」
という顔をしているのを見て
「あ、やってもうたな」と悟った。
あぁやっぱりやってもうたね
ただでさえ所有しているだけで十字架になっている親父のレクサスに傷がついているのを親父が見てしまった場合、親父の財布は大声をあげて死んでしまうだろう。
なんとかしてこの傷を修復しなければいけない。
オレは急いでホームセンターへと向かった。
とりあえず車のコーナーに行って修繕用品を一通りそろえた。
- 光硬化パテ(傷を埋める)
- タッチアップペン
- エアータッチ(タッチアップペンをスプレー化するやつ)
- 仕上げスプレー(色を周りの色と馴染ませる)
合計2,850円
ぶつかったとはいえそんなに勢いはなかったので深く傷はついていなかったから別にパテを買う必要は無かったけどとりあえず念には念をということで一式購入。
クルマを人があんまり出入りしないホームセンターの2階の駐車場の日陰の所に駐車して作業開始。
ペタペタ塗っていくと傷で白くなっていたところが埋まっていくと同時にその白色も消えていったので、これはうまいこといくんじゃないかと結構期待して塗り続けて行った。
ちょっと調子に乗って塗りすぎたかな・・・?
「光に当てると急速に硬化します」とは書いてあったが、アホみたいに塗りたくったのと想像以上に硬化したのが合わさってヘラで削ることも出来ず、後戻りできなくなってしまった。一応紙やすりはあるが、削ったところで所詮紙やすりなので全然やすれない。
というよりも、ぶつけはしたがえぐれてるレベルで深い傷はほとんどなかったのでそもそもパテは必要だったのか?という話なのだがもう遅い。だんだん心配になってきた。
答え合わせは黒スプレーをかけてみて判断することにした。
シューシューシュー
答え:失敗
これはイカン。これだと確実に違和感は親父を全力で殺しに行く。
この際、紙だろうが棒だろうが頼れるものなら頼ったれということでここから20分ほど紙やすりで固まったパテを落とす作業をした。何人か俺の近くを通ったがそんなのも気にせずひたすらやすった。
「オイ、アイツレクサスやすってんぞ・・・」
と後ろで聞こえた気がするが聞こえていないことにした。
言ってしまう気持ちはわかるぞ。俺もレクサスやすってるヤツがいたら言ってしまう自信がある。
やすってやすって何分でしょう、20分ほどしてから再度スプレーをし直す。
まぁ・・・・・分からないかな・・・?
遠くで見たらどうなんだろう。
あ、バレそう
あとスプレーで塗った部分があんまり光を反射させないのでじっくり観察したら
「誰かスプレー塗ってごまかしたな」
って普通にばれる。その前にパテでバレるけど。
駐車場だと暗いからそこだとどうなんだろう。
これだったらギリ気付かないかな?
勘の鋭い人が見たらすぐバレそうだけど。
修理費が貯まるまではしばらくはこれでやり過ごそう。
翌日。
父親「おい。お前車ぶつけたやろ」