なんでんかんでんに行ってきたよ
かつて一世を風靡したあのとんこつラーメン店、「なんでんかんでん」が高円寺に復活したということでたまたま開店した翌日に東京に行く予定があったので、行ってきた。
高円寺駅から歩くこと2分の商店街の左を見ると、ひときわ目立つラーメン店があった。
僕が到着した時点で二人ほど並んでいた。
ただ僕は行く前からあんまり期待はしていなかった。たぶん今ここまで騒がれているのは、僕と同じく
「超有名だったらしいけどその存在を知る前に閉店してしまった」
「川原社長のラーメンはうまくないらしい」
という人たちが、復活したということで一度食べてみたいとなっているか、川原社長のキャラを買われてのモノ(ほぼ『マネーの虎』経由)ではないかと推測していた。
最近開店したということもあって川原社長もお見えになっていた。食べ終わった客と写真撮影しては雑談して、お客さんとの交流を深めていた。
しかし数分並んで気が付いたことがあった。僕が並んだ時点で前に二人並んでいて、そのときも店内で空いている席がちらほら見られたのに、全然お客さんが案内されないのだ。そして外にはどんどんできる行列。僕が前に二人いた時点で最後尾に並んでから先頭にくるまでで、行列は商店街からはみ出すレベルまで成長していた。傍らではずっと食べ終わった客としゃべっている川原社長。列に並んでいる間にオーダーは取るわけでもない。
どうもおかしい・・・
そしてやっと僕は店内に呼び出された。
入店すると、やはり空席がいっぱい。なぜ並んでいる客を呼ばないのだ?
しかもカバンを席の下に置こうとしたら、
「あ、隣の空いている席に置いてくれていいですよ」
と言われる始末。いや、並んでいる客入れろよ・・・・
しかし厨房を見れば何となくその理由が分かった。厨房要員が4人ほどしかいないのだ。おそらく開店したばかりということもあって、オーダーに対して従業員のキャパが間に合ってないのだろう。だったら外で客を並ばせて、超人気店ですよーと通行人に見せかけるほうが、作戦としては賢いかもしれない。ここに川原社長のずる賢さが見られた。さすが商売人。だてにラーメン屋の社長をやっているわけではない。
ラーメン屋であること、とんこつ系であること、うまくないらしいことぐらいしか事前情報はなかったので、メニューはどんなものがあるのかは気になっていた。
フムフム・・・特別安いわけでもなければ、ほかのラーメン店と比べて差異化を図れるようなとこは見られない。
唯一見たことないもので、麺の硬さで「粉落とし」というのがあったけど、食べるときには気づかなかった。「ラーメン」って書いてあるが、何がトッピングされているのか不親切にも全く書いていないので、周りの客の食べているものをキョロキョロ観察していたら見落としてしまった。不覚。
とりあえず3バカラーメンのきくらげトッピング(普通のトッピングには入っていないと思ったから)、バリカタを注文。
こんな感じのが来た。
まあきくらげがバカ。ここまでトッピングが多いと麺より先にこいつらを始末しないとラーメンの味がよくわからなくなる。
それぞれ食べてみた感想を述べると、
卵・・・つめたい
チャーシュー・・・つめたい
きくらげ・・・麺より多いんじゃないか
ネギ・・・邪魔
海苔・・・普通の海苔がスープを吸収し、粉の海苔がその少なくなったスープに溶け込むことで緑色のスープが爆誕。ゲロまず
麺・・・ふつう
食べてる途中に
「おぅふ・・・」
となるラーメンだった。つまり地獄。
これで1170円ナリ。
店を出ると、川原社長がいたので記念撮影をして、雑談。
「マネーの虎見て来ました」
というと、なんだかバツの悪い顔をしてらっしゃった。
大阪にも出店しますか?というと、それはあんまり考えていないようだった。
ということはまた食べたくなったら東京まで出向かないといけないということになる。
だがおそらく2回目は無いだろう。
川原社長のキャラクター性が無かったらこの店は何で売っていくんだろうか?ちょっと心配になるようなラーメンだったが、もうどうでもよかった。
あの冒頭のデブのセリフが頭の中をずっと流れていた。
「川原社長のラーメンはワタクシうまいとは思わないので」
川原社長に別れを告げて、俺は高円寺のルノワールへと向かった。
まだ行列は道路まで続いていた。
朝の阪神高速でベスパが壊れて死にかけた
先週のこと。
早めに大学に行って試験勉強をしようと思い、朝5時ごろに家を出て、バイクで高速を走っていた。
兵庫県に差し掛かろうかというまさにそのとき。
俺のベスパに異常が発生した。
ブルンブルンブルルるるるるぷすぷすぷすん・・・
エンジンが急停止し、後輪がロック。俺はスリップして半回転した後、なんとか転倒せずに停まることができた。後続に車が一台いたが、俺が異常を感じた瞬間手を挙げて合図していたのと、朝早いということもあってそれ以降車は見えず、なんとか安全地帯に避難することができた。
もしもいつも通りの時間に出発していたら確実に事故渋滞を引き起こしていただろうし、転倒して轢かれていたかもしれない。つくづく俺は悪運が良すぎるのである。
つい最近もスマホホルダーが取れてスマホを高速道路上に落として、命がけでスマホを拾ったことがあったのに、この様である。
とりあえず運よく近くに高速入り口があったので、逆走し、料金所のインターホンでバイクが壊れたかもしれないというと、パトロールカーを呼ぶので安全なところで待っててください言われた(逆走すんなとも言われた)ので、待つこと20分、あの黄色い車が来た。
パトロールカーの人「僕ら何にもできないんでご自身でレッカー車とか呼んで下さい」
YOUは何しにここへ?
とりあえず保険会社に電話してあかつき号を手配すると、パトロールカーの二人は
「それじゃっ」
と言って帰っていった。ほんとに何しに来たんだ?
待つこと50分、あかつき号が来た。
中から作業員が「あーあ、またアホが車壊しやがって」みたいなかったるい態度で出てきて、バイクの積み込みを始めた。
積み込みが終わると、作業員は車に乗るよう合図した。
車に乗って走ること数分後、作業員が話しかけてきた。
俺はタクシーで運転手が話しかけてきたら「黙って運転しやがれクソ野郎」と運転席を蹴りモノを投げつけ唾を吐くタイプだが、こういう人としゃべる機会というのは滅多にないので話をした。
あかつき「学生さんですか?」
僕「はいそうです」
あ「へー学校なんですね。夏休みまだなんですね」
僕「もうそろそろですね。今日試験で、早めに学校行って勉強しようと思ったらバイク壊れてこの様です」
あ「はぁーそうなんですねー」
僕「社会人になったら夏休みなんかないですもんね」
あ「僕らは夏休みどころか、お盆、正月休みすらありませんよ。正月とか大型連休は滅多に運転しない人が調子乗って運転して事故ったりとかホントによくしますから。むしろ稼ぎ時です」
僕「じゃあいつ休むんですか?」
あ「申請したら休めるんで休みたいタイミングがあれば休みますね」
僕「最近いつ休みましたか」
あ「覚えてないですね。今日も3日寝ずに働いてますね。ここ来る前に一件レッカーして現場戻ってきたタイミングでこの依頼があったんでここに来ましたわ。またこの後一件依頼があるんでレッカーし終わったらまたそこに向かいます」
僕「休まないんですか?」
あ「うーん、僕らは歩合給でやればやるほどお金もらえるんでできるだけ休みたくないんですよね。もう今は飯食べる時間も惜しいんで一日一食ですわ」
僕「はぁ」
ここであかつきの携帯電話が鳴った。
「もしもし。はい。はい。・・・・はぁ!?今ですか?!今レッカーしてるんで今は行けないっすわ。・・・はい。了解です」
あかつきはおもむろに電話を切った。
あ「今の先輩っすわ。ムカつくわー。あ、僕普通に先輩でも思ったこと言っちゃうタイプなんで」
僕「...なんか無茶な要求でもしてきたんですか?」
あ「迎えに来いっていう連絡ですわ。行けるかっつーの。こっちは仕事中やのに。いっつも無茶な要求ばっかしてくるんですよ」
僕「休みもないし上司は無茶苦茶でホント大変ですね」
あ「そうですよホントに。あなたも社会出たらわかりますよ。頑張ったところでそれほどのもんが手に入るわけでもないし、ただしんどいだけだし。『世の中ってこんなに冷めてるんだなぁ』って」
僕「はぁ」
話しているうちに降ろすポイントに到着した。
安全な場所に停車した後、数枚の書類にサインし、最寄りの駅までの道を案内してもらって俺はあかつきと別れた。
社会人になると生きるのって辛くなるのかなぁっておもった。
ちなみにベスパはエンジンオイルを混合するチューブが取れて全部漏れたためエンジンが動かなくなったのが原因だった。
そういや朝バイクの下ぬるぬるやったなとは思ったが、気づかんでしょ、んなもん。