シコシコBlog

ぼくのせいちょうきろく

久しぶり、既体験感

ただ今大学の試験期間中だ。

今日フーリエ解析の試験だったのだが、一度も授業に出たことがなく、一回も教科書を開いたことがなかったので落単なのは確実だった。

 

なのにどうして受けに行ったのかというと、配られる問題だけもらって来年の再履修の時の勉強に使おうと思ったからである。

その授業は僕の学科とは違う人たちが受ける授業だったので、同じ学科の人間に過去問を頼むことは不可能で、そもそも同じ学科にも過去問を頼める人間は一人もいない。お友達がゼロの唯一辛い点である。

 

試験官がやってきて口頭説明が始まった。

 

「試験時間は1時間半です。A4用紙一枚持ち込み可能です。」

 

おやおや、僕のリサーチ不足だった。持ち込みありって知ってたら2日前から全力で教科書の内容全部用紙の裏表に敷き詰めることぐらいカンタンだったのに。

 

試験が始まって問題用紙をめくった。

 

なるほど、さっぱりわからん。なんだ熱変換の方程式って。変数分離法を使えって言われてもなんか微分方程式かいてあるしそもそも微分方程式の解き方わかんないし。

 

この時僕は高校3年生の時に京都大学を受験したことを思い出した。

試験開始の合図で問題をめくってみたものの、何言ってんのかわかんない。

「N回目の確率を求めよ」って書いてあるから、とりあえず1回目から10回目まで全部確率出して一般化しようとしたけど7回目くらいで解答用紙の余白使い果たしたから諦めて残りの時間シャーペンでどれだけ机に穴を掘れるかチャレンジして時間潰していたのだ。

 

しかし僕は一番前の席に座っていて、変なことをしていると試験官に不正行為と思われる恐れがあったので今回も穴を掘って試験時間を潰すわけにはいかなかった。

 

だから僕は1時間半「固まる」ことにした。

 

一点をじいっと見て、シャーペンを持つ手は石のごとく固まらせて、なるべく呼吸も抑えた。

10分間経ったところで腕が痺れてきた。

途中で試験官が僕の顔を覗き込んできた。そりゃそうだ、他の人は持ち込み用紙を見ながら必死に問題を解いているのに、約1名全く微動だにしない奴が一番前の席にいるからだ。

 

「具合が悪いの?」

 

僕はガン無視した。というより聞こえていないことにした。1時間半固まることを決めたのであれば、その意思だけは決して曲げてはいけない。

全く反応しないので他の試験官と何やら話をしていた。追い出されるんじゃないかとおもったけど何にもなかった。

 

20分経ったところで、

 

「ここから途中退室を認めます。問題を解き終えた人は前に提出して帰っていただいても結構です」

 

と試験官からアナウンスがでた。

僕はそこから1分きっちり数えて、「固まり」を解除した。

試験官に綺麗な白紙の解答用紙を渡して、僕は教室を出た。

 

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